ご案内 INFORMATION

一枚板ができるまで

「木」の状態から一枚板として仕上がるまで、とても⻑い年月がかかります。

一枚板として使われるような巨木に成⻑するまで数百年かかり、そこから家具として皆様のお手元に届くまでの工程をご紹介します。

①伐採

木々を手塩にかけて育て、見守ってきた森の職人たちの手により伐採。
幹の中の水分や樹液が少ない状態になり、樹木の活動が落ち着く秋から冬が適切な時期に行う。

②丸太・原板の仕入れ

原木・原板を全国から良材が集積する木材市場で競りにより仕入れる。
広葉樹と針葉樹が同時に行われますので、膨大な数の丸太や無垢板が並ぶ。

どんな一枚板との出会いがあるか、毎回楽しみです。

③製材

製材機を使って丸太から板へ製材します。
原木の状態では中の状態(製材後どんな板になるか)が明確にはわかりません。
熟練の職人達の知識と経験、勘をもとに「木の特長を最大限に活かすにはどうしたらよいか」を観察して考え、サイズ・木目・傷の程度などを考慮しながら、鋸(のこ)の入れ方を決めています。 

④乾燥

無垢材は乾燥が命。
伐採されたばかりの無垢材は大量の水分を含んでいます。
含水率(木に含まれる水分の割合のこと)が 15%以下になると、割れや反りが起こりづらい状態に。
ゆっくりと充分な時間をかけて自然乾燥し、加工前には人工乾燥機に入れて厳密な温度・湿度管理で仕上げ乾燥と殺虫。
十分に乾燥させることで「割れ」「反り」「ねじれ」が発生しにくくなります。
乾燥過程で反ったり割れたりした部分は一枚板としては使われず、別の家具や建材となります。

自然乾燥(天然乾燥)
通気性を良くするために桟木を挟みながら重ねて、屋外で2 年以上という⻑い時間をかけて含水率15%まで乾燥。

樹種や初期含水率、厚さ、桟積み法によって天然乾燥に要する日数は異なりますが含水率が15%前後になるには平均して2年位はかかる。
人工乾燥
乾燥を進めるための人工乾燥庫に移す。
温度45度ほどに設定して一定方向に風を送り循環。
温められた木材から水分が蒸発して、含水率10%以下になるまで40~60日程度乾燥。

⑤平面出し・調整・サンディング

乾燥を終えた板は、天板として完成させるための加工を行います。
平面の削り出し、適正サイズへの切り出し、表面の研磨、脚の取り付け加工などです。

平面だし
乾燥過程で起きた反りやねじれをNCルーターやプレーナー、鉋などを使って厚みを均一に平面になるまで削る。

板の状態によりますが、厚み70〜80mm荒材から平面だしを行うと、50〜60mmくらいになる。
サイズカット
板の状態を見ながら、お客様のご要望や展示サイズに合わせてカットする。
補修
割れている部分に、それ以上割れが広がらないようにリボン型の「ちぎり」を入れて補修。

「割れや節」部分埋める場合は、接着剤と木屑を混ぜたものや樹脂を流し込み、フラットに仕上げる。
サンディング/耳だし
ベルトサンダーや電動サンダーを手磨きを使いわけて表面や耳を削り、磨き上げる。
1.粗目(80番程度)のサンドペーパーで木地表面をフラットに削る。
2.フラットになったら中目(150番〜240番程度)で木地表面を均質に整える。
3.木地が整ったら仕上目(240番以上)でけば立ちを無くし磨きを行う。

耳部分の研磨は自然の樹皮の形を生かすよう、慎重に仕上げる。

⑥塗装・仕上げ

ウレタン塗装
木の表面をウレタン樹脂でコーティングする仕上げです。
水分に強く汚れや食べこぼしもサッと拭き取れる。
反りやひび割れも起こりにくい。

メンテナンス不要で、普段のお手入れも水拭きのみ。
ただし、傷などが付いてしまってキレイに直す場合は、工場での再塗装が必要です。
オイル塗装
木の表面に家具用オイルを浸透させる仕上げです。
木の質感や表情をそのまま感じとれる。

月に1度程定期的にオイルを塗ることで、汚れがつきずらくなり、艶を保つことができる。
水分には強くありませんが、染みや汚れ、傷ができてしまってもサンドペーパーで研磨することで容易にメンテナンスができる。

⑦皆様のもとへ

気の遠くなるような長い時間を経て、皆様のお手元へと向かいます。